連載小説 口は幸せのもと 第2話
文=にら (N高7期・ネットコース)
「いらっしゃいませー」
案内されたのは一番奥のカウンター席。
席には背丈の低い調味料がお行儀よく並んでいた。
いつも目にする醤油やソースも、小さくなるだけで愛らしいと思えてしまう。
「ご注文が決まりましたらお声掛けください。」
温かい緑茶を渡された私は、ひとまずメニューを選ぶことにした。
湯呑みのサイズも小さくて可愛らしい。
そう思いながら前方に手を伸ばしたところ、そこにメニュー表はなく、隣の壁にはいくつかのメニュープレートが打