恋をした。1.ーちいちゃい宝物ー
文=ひーさん(N高6期生・通学コース)
見慣れた景色や街並みに黄金が溢れるこの時期。緩く髪を撫でる風はすっかり涼しさを取り戻して、季節は冬に向かっている。目が冴えるような快晴と刺すような陽射し。寝起きの目には少々眩しい。徒歩5分で来れるここは、毎日の散歩コースだ。コツ、コツと杖をつき、草原を散策する。どうやら今日は僕たちしかいないようだ。草原の真ん中にある、昔から馴染みのある一本木は、いつにもなく存在感が増して輝いている。
「ほぉお……今年はいつもよりきらきらだねぇ〜〜